競合と集客チャネルを把握する
マーケティングにおいてもっとも重要なポイントの1つは、競合を把握することです。デジタル・マーケティングにおいては集客チャネルごとに競合を考える必要があることを確認し、必要なツールを提案します。
悪いウイスキーというものは存在しない。 ただ他のウイスキーよりも味の劣るウイスキーがあるだけだ。 レイモンド・チャンドラー 

競合によってビジネスは変化する

モーガン・フリーマンとティム・ロビンスが出演した映画『ショーシャンクの空に』は、しばしば「ベスト映画」にも選ばれるほどの大作ですが、不思議なことにアカデミー賞では1部門も受賞していません(7部門にノミネートされたにもかかわらず)。
トム・ハンクスが主演した映画「フォレスト・ガンプ」が、作品賞を含む6部門のアカデミー賞を受賞してしまったからです。
いわゆる、「相手が悪かった」というやつです。
富士山の山頂では、ペットボトルが1本500円もします。これは、競合がいないからです。ホテルのルームサービスならコーラが1,000円で売れる、という話も有名でしょう。
プライシング(価格設定)は、競合によって左右されます。
デジタル・マーケティングを行う上でも、競合の存在は重要です。競合がいないマーケットは需要もありません。競合を把握し、競合の存在から学ぶ必要があるのです。

競合を知る

競合を明確にするために、あなたの競合がどこにいるのかを明らかにしましょう。このときに利用できるツールを2つ紹介します。
Website Traffic - Check and Analyze Any Website | Similarweb
Similarweb
SimilarWeb イスラエルのベンチャー企業が開発したマーケティングツールです。大量のデータを分析し、サイトのトラフィックなどを知ることができます。ただし、実数とのズレがあります。
Alexa Alexa Internetが運用しているマーケティングツールです。ツールバーをインストールさせ、そこからトラフィックを推定しています。検索順位などもわかりますが、SimilarWebよりも大きいズレがあります。
たとえば、花屋をやっていて、新たに通販サイトを立ち上げるとしてみましょう。SimilarWebで、競合となりうる大手の花通販サイトを調べてみます。
大手サイトのトラフィックソースを見ると、検索からの流入が最大であることがわかります。
リファラルを確認したところ、大手のアフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)からの集客が多いことが確認されました。
検索ワードに関しては、ブランド(自社)キーワードで一定の集客ができている他、「花束」「フラワーアレンジメント」などのワードで集客ができているようです。
一方、有料キーワードでは「花」など比較的広いキーワードで集客しているようです。
「花束」などには、花束を一覧にしたページを出していますし、「花束 値段」「母の日 花束」などのキーワードに対しては、「予算で選ぶ 3,000円から」「母の日プレゼント特集」といったページを作ることで、それぞれの検索キーワードに合わせてユーザーへの訴求と検索からの集客を強化しています。
ブランドキーワード(指名キーワード)とは
ブランドキーワードとは、自社の名前や、商品名などで検索されたキーワードです。普通のキーワードであれば、いかに順位を上げるか?ということが重要な指標になりますが、ブランドキーワードは基本的には順位は1位なので、検索数自体がどの程度あるのか?ということが指標になります。
まとめると、競合であるこの花通販サイトの戦略は、こののようになるでしょう。
通販で花を買う場合、多くは入院中の知人に贈呈したり、開店祝いなどの儀礼的なケースで利用するか、誕生日や成人の日、母の日など、離れて暮らす家族に記念日に贈呈するケースが多いと推定されます。
知人へのプレゼントで花を買う場合、色彩などにこだわる方であれば、店頭で買うことも多いでしょう。ですから、検索においては値段の訴求や、記念日やビジネス用途のキーワードに重点を置くことは、戦略上有効だと考えられます。
さて、これだけでは競合調査は充分ではありません。花束の場合、Amazonにも多数出品されています。Amazonに出品し、レビューを獲得するという戦略もあるでしょう。
Amazonで検索すると、レビューが多数集まっている小規模な花屋が見つかりますね。では、Google検索はどうでしょうか(図2-14)。
ここでは、複数の大手サイトが見つかります。これらのサイトは歴史もありユーザーのリピート率も高いと考えられます。
重要なのは、競合として勝ちやすい/勝ちにくいのはどこだろうか?という点です。
検索数の多い検索キーワード(ビッグワード)で勝つ自信があれば、検索を中心にする方法もありますし、既存のサイトが狙っていない小さなキーワードで集客する方法もあります。
Amazonなどのプラットフォームで順位を上げる方法も、ソーシャルメディアで拡散を狙う方法もあるかもしれません。
「敵を知り己を知れば百戦あやうからず」という言葉がありますが、マーケティングにおいては常に競合と比較されています。
小さな市場なら、大資本に勝てるところもあるかもしれませんが、戦うのが難しいケースもあるでしょう。充分に競合を調査した上で、どのように競合に勝つか、あるいは共存するかを考えることが重要です。
最終更新 9mo ago