Engagement(顧客とつながる)
エンゲージメントを直訳すると「つながる」となります。顧客とつながること。常にデバイスを持っているこの時代だからこそ、より必要なことになります。顧客とどのようにつながるべきか、改めて考えてみましょう。

スマートフォンの普及と「つながる時代」

スマートフォンは10年間で、ゼロから10億~20億台に成長しました。これは、かつてのパーソナルコンピュータの普及よりも速いスピードです。
スマートフォンの個人での保有数は、2016年度に55%を超え、20代・30代では保有数が90%を超えています。
モバイルの利用時間も、すでに20代では2時間を超えています。全体でも1時間強と、モバイル利用は生活のもっとも大きな時間を占めているのです。
すでに、40代以下では、スマートフォンの利用率がPCの利用率を上回っており、名実ともにモバイルシフトが進んでいると言えるでしょう。
このような時代におけるエンゲージメントは、それまでと大きく変わってきています。

エンゲージメントの歴史

エンゲージメントの歴史は、ダイレクトマーケティングの歴史と重なる部分があります。いわゆるダイレクトマーケティングは、セールスとマーケティングの中間地点として発展してきました(余談ですが、もっとも古いダイレクトマーケティングは、紀元前1000年にパピルスに書かれた逃亡奴隷を募集するものだったと言われます。つまり、もっとも歴史が古いマーケティング手法であるということです)。
既存の顧客に対して再度連絡をしようと思えば、住所に対してダイレクトメールを送るか、電話で連絡することが必要で、そのハードルは今よりもずっと高いものでした。
マーケティング手段
日本における普及
住所
ダイレクトメール
1950年代以降
電話番号
勧誘電話
1970年代以降
メールアドレス
Eメール
1990年代以降
SNSフォロー
ソーシャルメディア
2010年代以降
アプリインストール
プッシュ通知
2010年代以降
しかし、時代とともに、つながる手段が増え、SNSやメールアドレスなどの様々な手法が取れるようになり、より顧客との接点を増やすために必要なことも増えていったのです。
また、ダイレクトメールや折込チラシでも、電話番号だけではなく、QRコードやSNSのアカウントなどを載せることで顧客のレスポンスのハードルを下げることが可能になりました。

メールマーケティングと「スパム」メール

1978年、ある歴史的な偉業が、DEC(Digital Equipment Corporation)のマーケティング担当者、Gary Thuerkによってなされました。
他の多くの偉大な業績がそうであるように、そのときは偉業であるとは、誰も考えていません。
なぜなら、それはたった400通の人間に送ったメール広告だったからです。それが偉業となったのは、すなわちそのメールこそ、はじめてのメール広告であり、はじめてのデジタル・マーケティングであったからです。
「DECは、最新の製品のプレゼンテーションを行います。DECSYSTEM-20ファミリー、DECSYSTEM-2020,2020T、2060、および2060T……」
そのとき、まだ最初のインターネットであるアーパネットの利用者は2,600人しかいませんでした。Thuerkはそのうちの400人に、新製品である「コンピュータ」の情報を送ったと言われています。これは今で言う「スパム」の手法です。
彼はこのメールにより「1,300万ドルか1,400万ドルを売り上げた」と語っています。その意味では、このスパム・マーケティングは大成功だったと言えるでしょう。
スパムという禁断のリンゴを知ってしまった私たちは、さながらエデンの園を追放されたごとく、スパムのない楽園には戻ることができませんでした。
世界中の数十億の人間が、「スパム」によって日々悩まされることがわかったら、彼は同じことをしたでしょうか? 。彼は、「自分は『デジタル・マーケティングの父』と呼ばれたいが、どうも違うようだ」とも述べています。

現代におけるメールマーケティング

メールマーケティングは、それ以降も増加の一途をたどっており、ROI(投資対効果)も高くなっています。eMarketerによると、アメリカの広告代理店が行ったメールマーケティングのROIは122%と、ソーシャルメディアの28%やダイレクトメールの27%を上回りました。
 メールマーケティングは、とりわけB2B(法人向け)マーケティングにおいて利用されます。個人レベルではすでに、メールを使う頻度は落ちており、LINEなどのメッセンジャーがメインになっている方も多いと思いますが、法人ではメールがメインのコミュニケーションだからです。

MA(マーケティングオートメーション)とナーチャリング

法人向けのメールマーケティングを発展させたものを、MA(マーケティングオートメーション)と呼びます。
これは、顧客に最適なタイミングで自動的にコンテンツやメッセージを配信する手法です。
たとえば、1日目にどのようなメールを送り、1週間後にどのようなメールを送るか、あるいは購入したタイミングでどのようなメールを送るかなどの顧客育成(ナーチャリング)やエンゲージメントを自動化し、効率的に行うことができるのです。

主なツール

などがあります。
一般的に、B2Bのマーケティングであれば、一度で契約が成立する事はありません。より長いスパンで考える場合、展示会やセミナーなどで獲得したリードをどう商談につなげ、クロージングするかという点が重要になります。
最終更新 19d ago