リスティング広告を運用する
ここからは、リスティング広告の基礎についてお伝えします。実際の設定方法や細かい使用方法については触れませんが、おおまかな考え方をつかんでください。基本的にはGoogle AdWordsを元に説明しますが、最後にYahoo!リスティング広告についても触れます。

リスティングの基礎① - キャンペーン構成を考えよう

まず重要なのは、キャンペーン構成について理解することです。キャンペーン構成は、たとえば下記のようになります。
キャンペーン
キャンペーンレベルでは、予算や配信地域(日本、海外などの国、東京都、大阪府などの都道府県レベルなど)、配信スケジュール、配信デバイス(デスクトップ・アプリ・スマートフォンなど)ごとの単価調整などが行えます。
広告グループ
キーワードなどのターゲティングと、広告クリエイティブの組み合わせを格納しているのが広告グループです。
広告グループでキーワードとクリエイティブを紐付ける形になりますので、この紐付け、つまりマッチングの部分が品質スコアに大きく影響します。
よくやってしまいがちなのが、せっかく広告グループを複数作っても、広告が一緒になっているケースです。これではほとんど意味がありません。
品質スコア(QS/Quality Score)
    推定クリック率
    広告の関連性
    ランディングページの利便性
品質スコアは、上記3つの要素で構成される、「広告の品質」の要素です。それぞれ10点満点で表示され、1-3が悪く、4-6が普通、7-10が高めです。
推定クリック率は、似たキーワードに出稿している広告の中で、どの程度クリック率が高いのか、広告の関連性は、たとえばキーワードが「花 通販」なら、同じ「花」と「通販」が入っているか、という点などが考慮されます。
ランディングページについては、ページの速度や見やすさなどが考慮されます。
広告ランク(Adrank)とは
広告の掲載順位(Adrank)は、以下の式で表すことができます。
推定入札単価 × 品質スコア
つまり、品質スコアが倍になれば、入札単価を半分に減らせるわけです。それほど、品質スコアというのは重要です。品質スコアを上げるためには、可能な限りキーワードと広告の親和性を高め、またクリック率が上がるように競合をチェックしていく必要があります。

リスティングの基礎② - コンバージョンをセットしよう

コンバージョンを考える① マイクロコンバージョン

コンバージョンに関しては、どこをコンバージョンポイントとするか?というのも重要なポイントです。
たとえば、通販サイトであれば、カートに入れる、会員登録する、実際に購入する、のどのポイントもコンバージョンになり得ます。
それらをコンバージョンにセットした上で、重み(コンバージョン値)を変えることもできます(カートに入れるのは500円、会員登録は1,000円のように)。
コンバージョンを、本番の前の時点でセットすることは「マイクロコンバージョン」と呼ばれます。

コンバージョンを考える② コンバージョンの種類を考える

一口にコンバージョンと言っても、Google広告でサポートされているものだけですら、いろいろなものがあります。
ラストクリックコンバージョン
いわゆる「コンバージョン」でイメージされているのは、このラストクリックコンバージョンでしょう。つまり、「最後のクリックが直接的に寄与しているかどうか」をコンバージョンの判定に利用するモデルです。
しかし、あまりに使われている指標だけに、必ずしもベストではない、という調査もあります。
Adobeの調査によると、ソーシャルメディアを対象にした調査では、ラストクリックコンバージョンよりもファーストクリックコンバージョン(最初に接点を持ったクリック)のほうが効果的で、94%も価値を増加させた、とあります。
これは、ソーシャルメディアを対象にした調査であるため、必ずしもリスティング広告に応用できるかはわかりませんが、重要な指標になり得るかもしれません。
とはいえ、ラストクリックコンバージョンの意味が薄れることはありません。直接的に購入に対して紐付いている以上、今後も使われ続けるでしょう。
アシストコンバージョン
アシストコンバージョンは、ユーザーが広告をクリックして、離脱をした後に別の何らかの手段でコンバージョンした場合に記録されます。先ほどのファーストクリックコンバージョンもこちらで定義されています。
ユーザーが最初に接点を持ったポイントになる場合、重要です。
ビュースルーコンバージョン
ビュースルーコンバージョンは、ディスプレイ広告などで閲覧した後、ユーザーがコンバージョンした場合に記録されます。
ディスプレイで閲覧したからといって、それがイコールで認知を取れているとは限りません。これは鶏と卵で、将来的に購入しそうな人を対象にディスプレイ広告を出しているケースもあるのです(ビュースルーコンバージョン自体、ディスプレイの効果を水増しするために作られた指標ではないか?という批判は当然あるものと思います)。
ラストクリックコンバージョンと同程度には比較できないとはいえ、一定の指標にはなるでしょう。
クロスデバイスコンバージョン
クロスデバイスコンバージョンは、たとえばスマートフォンで検索して広告をクリックした後、PCなどで別途コンバージョンした場合に記録されます。
通販サイトなどで、スマートフォンで決済をしたくないというケースもあるでしょう。そういったコンバージョンを拾うために、クロスデバイスコンバージョンが存在しています。

リスティングの基礎③ - マッチタイプを考えよう

キーワードには、それぞれ「マッチタイプ」が存在します。登録したキーワードに対して、どの検索クエリに表示するかということを決めるのがマッチタイプです。

マッチタイプの一覧

記法
検索語句の例
部分一致
女性用 帽子
購入 レディース 帽子
フレーズ一致
"女性用 帽子"
女性用 帽子 購入
完全一致
[女性用 帽子]
女性用 帽子
帽子 女性用
部分一致
部分一致は、もっとも広いマッチタイプです。最大の特徴として、キーワードの類似ワードを拾ってくるという点が挙げられます。
例にあるように「女性用」と「レディース」は類似の用語ですが、このように様々なキーワードを拾うため、予想もつかないような単語を拾ってくるケースもあります。
フレーズ一致
フレーズ一致は、部分一致ほど広くなく、指定した単語が含まれる文字列を拾ってくるマッチタイプです。(類似の単語は拾ってきません) かつては「絞り込み部分一致」と呼ばれるものがありましたが、現在ではフレーズ一致に統合されています。
完全一致
完全一致は、読んで字のごとく登録したキーワードと完全に一致した検索クエリに対して表示するマッチタイプです。
もっとも狭い指定の仕方であり、本来獲得が可能なクエリも出稿しない可能性がありますが、無駄な広告費が発生しない点ではメリットが大きいです。

リスティングの基礎④ - 無駄なものは除外しよう

 先ほど述べたように、キーワードは「広く拾うけど雑」なタイプか、「細かく拾うけど面倒」なものしかありません。
 全てを完全一致で登録しようとすると、膨大な時間がかかります。それは、ディスプレイ広告などでも同じでしょう。いちいちURLを登録していくわけにはいきません。
 ということで、ある程度広く登録して、無駄なキーワードを除外していく、という作業が必要になります。
 AdWordsやYahoo!プロモーション広告でもっとも重要なのが、この「除外」の作業になります。ここを丁寧にやらないと、どうしても無駄な金額が増えてくるのです。
 キーワードやURLの除外だけではなく、時間帯、曜日(平日/休日)、地域など、運用していく中であまり効果が出ない部分が見えてきます。一定の金額を使った後は、それらについても検討していく必要があるでしょう。

リスティングの基礎⑤ - どんどん自動化していこう

基本的に、単価調整など複雑な作業は、ほとんどのケースで自動化したほうがよいと考えてください。
例えば、GoogleもUAC(ユニバーサルアプリキャンペーン)を導入し、アプリの広告に関しては人間の運用をなくしていくなど自動化に舵を切っていますし、動的検索広告と呼ばれる自動の広告キャンペーンの精度も徐々に上がってきています。
しっかりとデータを取り、あとは自動に任せることで、作業量も縮小できますし、精度も上がっていきます。
例えば、入札戦略も「目標コンバージョン単価」などに設定することで、様々なデータを組み合わせて適切な入札単価を設定してくれます。
入札戦略
説明
クリック数の最大化
予算の中で最大のクリックを獲得する
検索ページの目標掲載位置
予算内でできるだけ上位に表示する
目標優位表示シェア
競合よりも多く表示するよう調整する
目標コンバージョン単価
目標とするコンバージョン単価を調整する
目標広告費用対効果
ROAS(広告費用対効果)を最大化する
コンバージョン数の最大化
予算内で最大のコンバージョンを獲得する
CPA(コンバージョン単価/Cost per Acquisition)
1つのコンバージョンを獲得するのに、何円の広告費を使っているか、という指標です。
ROI/Return of Investment(投資対効果)
利益÷投資コストで計算されます。その投資がどれほどのリターンを生んでいるかの指標です。広告に関しては、同じようにROAS(Return On Advertising Spend)という指標が使われます。

Google広告とYahoo!プロモーション広告の違いとは?

最後に、GoogleとYahoo!プロモーション広告の違いについて説明します。もっとも大きな違いは、ユーザー層の違いです。
Googleはもともと簡素なページで検索に特化していたため、より若い層が利用する傾向にあります。Yahoo!は昔から使っているユーザーが多く、プリセットのブラウザなどであればYahoo!から、という人も多いのではないでしょうか。
Statcounterによれば、検索については日本では8割程度がGoogleのシェア、Yahoo!のシェアは1割強と言われています。近年Googleのシェアが上昇しているとのデータもあるようです。
ただし、見逃せないのが運用工数です。Yahoo!の運用画面は、残念ながらGoogle広告と比べるとかなり使いづらく、時間がかかります。まずはGoogle広告ではじめ、上手く言ったものをYahoo!でも試してみるのが良いのではないでしょうか。
最終更新 19d ago